ダイパリメイク雑感

 深夜の「ポケモンプレゼンツ」で噂されていたダイパリメイクが発表された。
 リメイクに関しては、『ORAS』以来ずっと一部のファンが喧しく言いたてていたが、2016年に発売10周年を迎えて以降、一気に増えた気がする。中には発表会のたびに、公式ツイッターやら社長の垢に暴言を飛ばすやつまでいたから、はっきり言って顰蹙の的だった。
 自分としてはポケモンが3年周期の方針を取っている限り、過去作のフルリメイクは困難だし、出せたとしても本編が犠牲になって本末転倒だから(『ORAS』のためにマイチェンが出せずじまいだった『XY』のように)、リメイクはありよりのなし、仮にあるとしても剣盾ベースのリメイクにはならないだろうと思っていたので、『BDSP』のような限りなくリマスターに近いリメイクの仕方は妥当だと思う。もちろん、グラフィックの質の低さ、リメイクとはいえ初の本編外注、しかも開発元にとって全面的なゲーム制作が初めてときては、不安が全くないわけではない。今後の続報次第では荒れる可能性もある。

 そもそも、ポケモンの本質は「通信」と「対戦」である。まだ確定はしていないが、『BDSP』は『剣盾』の環境とは連続しない、『ピカブイ』のように孤立した対戦環境になりそうだ。つまり2006〜08年当時の環境をベースに、それ以降の追加要素を限定的に取り入れたものになるだろう、ってことだ。でも、そうした環境を2021年の今、やりたいかと訊かれたら、返答に困る。
 リメイクを求める層がやりたいのは、おそらく第8世代としての『DP』なのだろう。第4世代としての『HGSS』、第6世代としての『ORAS』のように。でも、そうはならないらしい、というのが『BDSP』の印象である。開発環境を考えれば、これがリメイクの仕方としては妥当なのは間違いないが、それならそもそもリメイクする意味などあるのかと考えれば、たぶん否になる。初代や『金・銀・クリスタル』のように、VCやベタ移植でいい、とも言えるし、何ならオリジナル版をやればいい、とも言える(動作が重いという欠点はあるにせよ)。
 現状『剣盾』未登場のシンオウ出身ポケモンが43体いるが、そのポケモンたちの新規グラが用意されて、『BDSP』から『Pokemon Home』なりを通じて『剣盾』へ送ることができれば、リメイクするメリットはあるかもしれない。クレセリアダークライを一緒にさせたい向きも多いだろうし、やっぱりディアルガパルキアギラティナとくればアルセウスも、となるし。

 

追記:「開発元がこれまでゲーム開発経験ゼロ」と書いていたが、スクエアやバンナムのゲームのグラフィックやムービーを手がけてきたということだから、全くゼロというわけではなかったのでニュアンスを変えておいた。