雑記240407

何かしていることはしているのであるが、そういうのとは別に、どうしても済ませておかなければならないことがあり、それが終わらないことにはどんな謗りを受けても仕方がない。ので、しばらくは余計なことは書かないようにする。先週の雑記がないのも、まさにそのためである。
とりあえず、身辺に関する簡潔な報告であった。

なぜかガラル転生したコライドンだけど、イケメンなのですべて何とかなった 37話

 

第1部、完。ってことにしておきます。性の悦びをイヤイヤながらも知ってしまったコライドン兄貴の明日は……どっちだ

 

37

 

 もちろん、何事もなかったように眠ることは難しかった。エンジンシティとスパイクタウンという、ただ名前だけを知っている街同士を繋ぐ巨大な石橋の物陰は、ジャラランガがねぐらにしているところであり、この土地に訳もわからず流れ着いた(その言い方も適切かどうかわからない)コライドンが今日まで毎晩横になってきた場所に違いないのだが、まるで初めてここに来たときのように、居心地の悪さが感じられた。
 石壁にもたれて目を瞑ったが、一向に眠気は訪れそうになかった。思いっきり欠伸をかまして、眠そうに振る舞ってみてもかえって目は冴える。隣で同じように壁にもたれていたジャラランガはあっという間に眠りについていて、意識がぷつりと途切れるとそのままカラダが傾き、巨大な塔が崩れ落ちるように、ゆっくりと横倒しになってしまうのだった。鱗が重なり合って派手な音を鳴らしたが、持ち前の「ぼうおん」のおかげか、平然と眠っていた。
 規則正しい健やかないびきに、コライドンは耳を傾けている。傾けようとする。やっとここに帰ってきてから、ジャラランガはまず自分に近くの池でカラダを洗わせた。その間、ジャラランガ自身お清めでもするかのように、身にまとわりついた汚れたものを落とそうとするかのように浅瀬に半身を沈めた。静かな水音だけがしていた。それが済んでから、ジャラランガにきのみを勧められたけれど、コライドンは黙って首を横に振り、そのまま壁に寄りかかりうずくまって、できるものなら——眠ろうとしたのだった。
 まるでまだガブリアスやミライドンがそばにいて、耳元で良からぬことを囁きかけているように思えた。なんと言うことはないそよ風でさえ、コライドンの背筋を震わせるには十分だった。胸の鼓動がまた激しくなり、目まぐるしい速度で血がカラダを巡っているのをコライドンは感じる。まるで水中にいるかのような息苦しさだった。
 さっき池でカラダを洗っていた時のことを思い返す。ジャラランガの目に触れないように水中に全身を沈め、両爪で尻たぶをぐっと左右に押し開いて、直腸になおもこびりついていた精液を放り出した。ガブリアスの精は寄生虫のように尻から飛び出してきて、細く長い糸を引きながら、あたかもドラパルトに甘える育ち盛りのドラメシヤたちのように、自分の周りをグルグルとまとわりついた。これをカラダの奥にまで注がれているあいだに、下腹を襲った疼きが思い出され、それだけでまた勝手にイキそうになり、うっかり水を飲んでしまいそうになった。
 尻にはまだガブリアスの感触が残っている。奴が満足するまで手抜かりのない抽挿が繰り返された直腸は、カラダはまだアイツのモノの形をしっかり覚えこんでいて、いまコライドンのカラダに石膏でも流し込んだら、その通りに型を作れてしまいそうだった。下半身を力ませると、アナルのあたりにヒリヒリとした痛みと、ぶりゅりゅ、あの異物を放り出す瞬間に感じられた不快感と快感がないまぜになった奇妙な感覚が走る。コライドンの精悍な肉体は、改めてガブリアスという雄の支配を思い出して、よわきになったアーケオスのように怯えてしまう。
 眠るジャラランガと向き合うようにコライドンはうつ伏せに横たわる。いっぱしの大人のくせに無邪気な寝息が顔を突き合わせているとよく聞こえる。
 さっきこいつと向き合っていた時、一体俺は何を期待していたんだろう、とコライドンは思う。俺は咄嗟に、ジャラランガを抱きしめようとして——嗜められてしまった。それは当然の結果で、コライドンがしようとしていることはまるで筋違いだったし、コライドン自身にしたって、なぜそんなことをしたのか説明するなんて無理だった。その先に何を期待していたかなんて、もう考える必要もないし、考えれば余計自分が嫌になってくるだけだった。ただ、ごく自然にそのような発想を、くだらない妄想とはいえ、してしまったことにコライドンは恥ずかしさとかたじけなさを感じないわけにはいかなかった。
 その拳で思いっきり俺の頬を殴ってくれてもよかったし、きっとそうするべきだったのに、とコライドンは、ジャラランガの無防備な寝姿を見て思う。いや、そもそも、ガブリアスのところには絶対行くなと言われたのに、行ってしまったということに対してもっと怒ってもいいはずだ。けれど、ジャラランガはただ静かにコライドンに寄り添ってくれるだけで。その優しさが何よりも辛い。
 いつもジャラランガうたた寝をしたり、腕立て伏せをしている木陰に、何かが無造作に置かれているのが目に留まる。縁の丸いステンレスの鍋が二つ並んでいた。ワイルドエリアを行き来する人間たちが、こういうものを残していくことがあるんだよなあ、とジャラランガが言っていた鍋だった。片方の鍋を覗き込んでみると、中に何か黒いものが詰まっていた。コライドンは一瞬渋い顔をしたが、漂ってくる匂いは寧ろ快い類のものである。
 パルデアにいた頃にも、こんな香りを嗅いだことがあった、とコライドンは俄かに思い出される。あれは何だったっけ。スパイスを効かせて鼻をツンと刺激するそんな香りだったことは覚えているんだけど。パルデアの記憶が具体的な輪郭を失いつつあることに内心震えながら、それを指で掬って口に入れると、冷め切ってゼリーのように固まってしまっているけれど、ピリッとした辛さが舌に染み込んだ。
 もう一つの鍋を覗き込むと、水分を失ってかぴかぴに乾燥した米粒が固まっていた。辛うじてまだ柔らかさを残しているそれを摘んで、隣の鍋の黒いものと合わせて口に含めると、米の甘さと黒いものの辛さが混ざり合って、ハッとしてしまうほどの味だった。温めたらきっともっと美味しかったろうに。
 眠るジャラランガを振り返る。素知らぬ振りをし、決然と眠っているジャラランガはこの鍋のことについて何も話さなかった。ジャラランガは腕によりをかけてこんな料理を作っていてくれたあいだ、俺はいったい何をしていたんだろう。ひとたび欲望をとち狂わせたせいで、みんな台無しにしちまったんだ、俺が。
 堰を切ったかのような感情が、今度は両目の穴から溢れ出した。雨が降ってもいないのに、視界はぼやけ、間近のものさえよく見えなくなった。肩が勝手に震える。声を上げないでいるのがやっとだった。
——気取るなよ/素直にナルことです。所詮は/結局ハ、お前/あなタも、「こっち側」/「コッチ側」なんだから/なんでスカら。
 コライドンはジャラランガのそばにしゃがみ込んで、ちょっとやそっとでは起きそうもない寝顔をじっと見つめ、穏やかに微笑みかけた。ありがとう。ごめん。俺って、結局ヤリたいことヤリたいだけの変態だからさ、お前のそばにいたって迷惑なだけだと思う。だから、ごめん、ごめん。それから、キッパリと背中を向けると、夜が明けてしまわないうちに静かにその場を離れた。

なぜかガラル転生したコライドンだけど、イケメンなのですべて何とかなった 36話

 

 36

 

 その晩はジャラランガに肩を支えられながら帰路に着いた。その間、二匹は何も言わずに、しんと静まり返った夜のワイルドエリアを進んでいた。
 ようやくガブリアスのペニスから解放されると、ペニスの太さをそっくりそのまま保存したコライドンのアナルから白く濃厚な精液がゴボゴボと泡を立てて流れ出した。思わず大臀に力が入って、みずでっぽうのようにピュッと飛び出すのを、ガブリアスは肩を揺らして笑いながら眺め、また一発鰭で音高く尻を打つ。
「ぅおっ——」
 と、飛び出す声もすっかりガブリアスへの従順さが滲み出て、哀れだった。ミライドンは満足げに両手を打ち鳴らしていた。ジャラランガはようやく束縛から逃れることができたが、両腕は力なくぶら下がったまま、振り上げる気力さえ失ったまま、その光景を見ていた。
 薄ら笑いを浮かべながらガブリアスは彼らを見送った。
「へへっ、また来いよ!」
 親しげにコライドンの肩を組んで、ガブリアスは気の知れた友人同士であるかのような笑顔を見せた。そばにいるジャラランガのことなど歯牙にもかけなかった。
「だって俺ら、もう兄弟、になっちまったもんなあっ?!」
「……」
「コライドンサン」
 ミライドンがすっと近寄り、デジタルの瞳をチカチカと点滅させながらコライドンの両手を握り、まるでアイドルを前にした熱心なファンのように、ぶんぶんと上下に振り回し握手をした。
「今夜ハありがとうござイマした。拝見できテ、本当ニ嬉しカッタ。短い時間デハありましタが。いいですカ、これはコライドンサンにとってモいいことなのデスから。ドウヤラ、まだ腹に落ちてナイようですが、大丈夫ナノです、ゆっくり、ゆっくりト。そのうちワカル時が来る筈でス」
 コライドンは無気力な表情でニコニコと微笑むミライドンの顔をぼうっと見つめていた。どことなく自分と似た顔の作り。視界がぼやけるといっそうそう見えた。けれど、今のところは考えを巡らすには疲れすぎていたし、心は矛盾した感情で引き裂かれすぎていた。ゆっくり? そのうちわかる?……
「また近クお会いスルことがデキるでショウ。その時ハまたよろしくお願イしまスね」
 出し抜けにミライドンに接吻をされ、機械のような外見からは想像できなかった柔らかい舌に口内を愛撫されると、んっ、と子どもじみた甘く甲高い声を漏らしてしまった。
「エッチな声出しやがって、まだケツ足んねえのかよ? 変態め、まっ、欲しかったらいつでも相手してやっかんなあ……」
 ガブリアスに尻を撫でられると、上官に点呼に威勢よく返事をする一兵卒のように、大臀の筋肉が俄かにキュッと引き締まり、俺がガブリアスに——キザな顔立ちをし、逞しく膨らんだ胸筋と割れた腹筋を誇り、丸太と遜色のない巨大な逸物を持って、何より同性を屈服させる性交に巧みな雄にすっかり肉体を支配されていることを感じ、深い絶望に浸るが、そのくせコーヒーに少量注がれるミルクのように、悦びが混入していることを知らないではなかった。
「おい、大丈夫か」
 ジャラランガに声をかけられて、コライドンは我に返った。あんなことがあったばかりなのに、表向きは強かな目つきだった。きっとジャラランガの方が、自分よりも屈辱的な目を味わったに違いない、とコライドンは思う。けれど、彼は努めてその感情を抑え付け、必死に耐え忍んでいる。その顔を、しっかりと見据えることができなかった。
 みるみるうちに、コライドンは自分の精神を恥じ、その精神にさえおよそ似合わない肉体を恥じるようになった。結局のところ、俺はああいう淫らな行為が好きな、ガブリアスに罵られた通りの変態で。自虐すればするほど、悪し様な罵倒が次から次へと頭に浮かんでくる。それを並び立てているうち、コライドンはいっそそれが快感にさえなってきた。
 ガブリアスに終始尻を陵辱されている間、心の内では抵抗したつもりだけど、結局はイキたくてイキたくて堪らずに屈服してしまった。これが俺の本性か、という気がした。そういえば、絶頂に達したとき、
——はははっ! 無様にイキやがって、ホント可愛くて惨めだな、お前!
 混濁した意識の中で、誰かがそう吐き捨てるのを聞いた気がした。ガブリアスの声でもなく、ジャラランガでも、もちろんミライドンの声でもない誰か。雄臭い交尾をしている間、たびたび脳裏に蘇ってきたこの声の主を、コライドンは思い出せそうで思い出せないのだった。
「おい!」
 ジャラランガに強く肩を叩かれた。
「……もう少しで着くからな」
「あっ……ああ、うん……」
 言うべき言葉はたくさんあったはずだが、コライドンはもじもじとし続けていた。二匹きりになってから、すっかりしょげ返ったようになり、額の羽根は重力に押し下げられるままに垂れ下がり、尾羽も萎れた花のように閉じていた。カラダつきもなんだか一回りか二回りは小さくなってしまったように思えた。
 夜更けのワイルドエリアは明るかった。背後からはナックルシティの街の灯が、前方からはエンジンシティの絶えることのない街灯が、二匹を追いかけまわすように照らしていた。
「ごめん」
 そう口に出して、ごめん? ごめんって何がごめんなんだ? とコライドンは思い、すぐに前言を撤回したくなるが、でも、それ以外に何て言いようがあるんだろう?
「……ごめん」
「別に、気にしちゃいねえよ」
 ジャラランガはキッパリと返事をした。
「お互い、ガキじゃねえだろ。そういうことだって、ある時はあるもんだろ」
「でも」
 でも? コライドンは自分でもそこからどんな言葉を継げばいいのかわからない。
「へっ、俺が嫉妬してるってか?」
 カタカタと鱗を震わせながら、ジャラランガは苦笑いする。
「そりゃな、あんなことさせられて、何にも思わねえっつたら嘘になるけどよ、だからどうしたってんだ?」
 コライドンを抱えていない方の手で鱗の薄い鼻先を擦る。
「ま、ようくわかっただろ? あのバカはああいうバカなんだよ。ホント、バカだよな。マジでバカ!」
「……」
「相方への思いやりなんてこれっぽっちもねえし、自分だけ気持ちよければそれでいいと思ってんだからよ。少なくとも、俺はそう思ってる」
「俺、東側には絶対行くなって言われたのに行ってしまった」
「だから、いちいち自分を責めてんじゃねえよ。過ぎたことは過ぎたことだろ、しょうがねえだろ」
 コライドンは熱いものが胸のうちに込み上げてくるのを感じた。感じたままに、ジャラランガと向き合って、そのカラダを抱きしめようとしたが、喉袋が二匹の胸の間に緩衝材のように挟まってしまう。
「……悪い、駄目だ」
 ジャラランガは大きな掌を広げて、コライドンを制した。
「俺はあのバカとは違うんだよ」
「……ごめん、本当に」
「だからいちいち謝んなって、塩らしいのはキライなんだっつの」
 今し方の自分の仕草はちょっと拒絶が強すぎただろうかとジャラランガは心配して、取り繕うに手をそっとコライドンの肩にのせ、気遣うように凝りをほぐしてやる。
「ま、帰ったらまずは池でカラダ洗えよ。そんで気の済むまで寝て、気が向いたら飯にすりゃいい。そうすりゃ元気になんだろ!……」
 どうせ、こんなことは一瞬のことなんだ、とジャラランガは悟りを開いたかのように言う。喉元過ぎれば何とやらって言うしな、結局はみんな取るに足りないこと、そのときそのときどう思ってたかなんて、忘れちまうし、どっちにしたって良くなっちまうんだよ、そんなもん……
 コライドンは一応は頷いたが、一度下げた首をなかなか上げることができなかった。本当にそうなんだろうか? 今や、自分自身のことですら疑わしかった。

雑記240324

先週から気持ちばかり早寝早起きを心がけるようにした。惜しむように深酒し、夜更かしするのは止そうという試みである。そうすると案外、早起きはできるものである。

 

土曜はぼちぼち早朝に目覚め、昨晩入っていなかった風呂を済ますと、机やストールに山積みした本を手に取って読んでいる。読書の効率も良くなった。先週から読みかけだった本を数冊は読了したし、集中力も増している。雑多な読書なので詳細をいちいち書くと長くなるので割愛するが、久々に読んだ金井恵美子の初期短編の巧さには打ちのめされるような思いだった。身体感覚が滲み出るいちいち正確な描写、異常に「解像度」の高い文章、顕微鏡で拡大しなければ見えないくらい細かな「襞」までをも、どんなホコリやダニをもキャッチするクイックルワイパーみたいに——いや、クイックルワイパーだって髪の毛を取り逃がすことがあるのだからそれ以上だ——描写する文章……かといって鹿爪らしくなく、感覚的でみずみずしく。10年くらい途切れ途切れ読んできて、ようやく凄さがわかりはじめたかもしれない。

 

午前中に通院し、それから東中野の黎明アートルームに立ち寄る。住宅地に真ん中に設えられた小さな美術館だが、展示はとても充実していて好きである。1階では縄文土器が年代順に展示され、短いながら丁寧で正確な解説が施されていて、縄文土器と言えば岡本太郎が広めたイメージを想起するが、立体的で装飾性が強いのは縄文中期の土器が専らで、前期とか晩期などはまた違った趣であることを知る。

 


ところで、ここに常設されているガンダーラ期の菩薩像の体つきがとても好みなのである。美術というよりは単なる性癖の話であるが、来るたびに長時間ねっとりと眺めてしまう。顔が欠損しているが故に余計、筋肉と脂肪のつきかたの絶妙さに目がいく。それに天衣や裙という下着の襞がぴったりと肉体に密着するさまだとか、上裸に身につけた装飾がふっくらとした胸筋の谷間や脇腹の括れに食い込んでいるさまがイヤでも官能的で、こういう体型の子と仲良くなれたら毎日エッチしてもいいなあ、とか卑しい考えを思い浮かべている。

 

写真撮影禁止だったので、僕の稚拙なスケッチで許して


それから新宿、銀座など歩き回る。ハーフマラソンくらいの距離を歩いていた。
帰って、惣菜の寿司をつまみつつ、ビールとチューハイ。なんとも言えない、至福。

 

日曜は正午を回る少し前に部屋を出て、上野へ向かう。昨日、銀座でふらりと立ち寄った某ギャラリーで招待券を譲ってもらったので、せっかくだからと上野の森美術館VOCA展を見物しに行ったのであった。
VOCAというのは、若手や中堅を対象に毎年行われている公募のようなもので、アートの世界における芥川賞とか直木賞のようなものと言えばいいだろうか(それにしても芥川賞やら直木賞ってそんな大々的に報じるべきもんなんだろうか、ただ単に歴史があるから? ここでは関係のない話だけど……)。平面が主だが、中には意表を突いてインスタレーション風にまとめていたり、キャンバスをモニターに替えているものもあって、発想の幅広さは見ていて面白い。

 

この作品は、実際にあった殺人事件をモチーフにした版画作品。作者はこの事件の裁判を傍聴したうえで、事件現場を自らの足で巡ってその犯罪を追体験し、版画で作品化している……らしい


Xにも書いたが、ここに出品している作家たちは、表現をする以前にそれぞれ明確な問題意識をもったうえで、綿密な調査・研究(フィールドワークだとか、取材だとか)を重ねたうえで制作に臨んでいる。描きたいことを描く、といった表向き誠実なようでいてその大半は軽薄な制作態度とは対極の、厳格なまでの場所にいる……
尊敬すべき作家というのは、みんな徹底的に過去を、伝統を、歴史を、自分の信念から掘り下げている。そこまでしなければ作品に強度は生まれ得ない、ということを思い知らされる。いや、優れた作家のものを——それが小説家であれ、アーティストであれ、映画監督であれ——見せつけられれば、いつだって感服せずにはいられない。

 

上野から新宿に移動して、昨日から始まったばかりのSOMPO美術館の北欧の神秘展を観る。昔からマイナーなものに惹かれる自分からすれば、触手の動く展覧会である。
北欧の近代絵画は、基本的にはロマン主義から印象主義の洗礼を経て、象徴主義へ至る流れはフランスに端を発した芸術思潮に概ね沿っているのだが、独自の要素として、北欧神話のテーマが作品に投影されている点がある。北欧神話というと知っているようで、詳細についてはぼんやりしているところもあるから、現地の造詣が深い作家の作品を見るとまた違う印象になるのは面白かった。ムンク、最近ではハマスホイが脚光を浴びる北欧美術だが、未知の領域はまだまだあると思い知らされる展観だった。

 

北欧絵画はまだまだ知られざる世界、ということを見せつけられた展覧会でした

 

スマホの万歩計アプリを確認すると、この2日で24キロ歩いたということだ。さすがに、右足がちょっと痛くなった。

なぜかガラル転生したコライドンだけど、イケメンなのですべて何とかなった 35話

コライドン兄貴陵辱パート、ひとまずここまでにしときます

単発エロで数万字費やすの、初めてしたけど、悪くないけどシンドいですねえ!

 

35

 

「はあっ!……ふぅ……くはぁ!……はあっ!……」
「あー、クソやべっ、気持ちっ」
 ガブリアスの腰振りは調子づいてきて、テンポが次第に早まってくる。こんなものが普段大人しく股ぐらに収まっていることが信じられないほどの巨大さなペニスは、難なくコライドンの中に出たり挿入ったりを繰り返していた。出し挿れされるたびに、ちゃっ、ちゃっ、ちゃっ……水音が辺りに響き渡る。それはいかにも掘っている、という印象を呼び起こす音で悍ましかった。
 そんな光景をジャラランガは見せつけられているのであった。今すぐ止めに入りたいが、背後にいるミライドンがそれを許さなかった。その機械のような腕から電磁波を浴びせられて、満足にカラダを動かすことができなくなってしまう。
「ナンダカとても麗しいデスね」
 ミライドンは無機質な口からそんな言葉を吐いたが、ジャラランガには言っていることの意味が微塵も理解できなかった。
「けっ! 何きょとんとしてんだよ? ほら、もっとようく見とけよ!……」
 挑発するようにガブリアスは言い、それに合わせてツツケラが木の幹に向かって突っつくような勢いでコライドンの奥までペニスを突き挿した。
「ぅぁあぁあっぁああ゛っ!」
「ほらほら、テメエの友達、お堅そうなクセしてどうしようもねえ淫乱だぜえ!」
「あ゛、ぉっ……ぢっ……ぢぎゃっ!」
「今さら恥ずかしがってんじゃねえよド変態!!」
「……っっっ!」
 鰭でしこたま尻肉を打ち付けられ、コライドンは痛みと羞恥のあまり顔面を草地に擦り付ける。さっき自分が逆の立場で犯したプテラオンバーンがしたのとまったく同じ仕草をしていると、ボンヤリ思った。痛い、苦しい、恥ずかしい、けれど止められない、気持ちいい、いや、よくわからない、けれどやっぱり痛い、苦しい、恥ずかしい、けれど……ペラップが早口で捲し立てる話が全く耳に入ってこないのと同じように、この目まぐるしい感情の揺らぎを全く整理することができないまま、雄として屈辱的な姿勢を取り続けていた。股から伸び出た肉棒はさっきから勃起しっぱなしで、むしろ激しく血が循環して心臓のようにドクドクと音を鳴らしていて、はしたなかった。
 汚い水音を股間から鳴らしながら、ガブリアスは先ほどの事の顛末をジャラランガに向けて語った。幾分誇張は混じっていたが、したことに間違いはなかった。コライドンは改めて自らの行為を恥じて両腕の中に顔を埋め、影の差した地べたを見るともなく見たが、そうすると余計に意識が臀部に向かってしまい、痛いような、こそばゆいような感覚がなおのこと増していくのだった。
 ジャラランガは黙ってその話を聞いていた。風に揺られて鱗がジャラジャラと音を鳴らす。ガブリアスがコライドンの肉体にぶつけて立てる音と比べるのは論外なほどに、純粋無垢な音だった。今、カマを掘られているコライドンにとってはなおさらそう聞こえた。まるで、ガラルという勝手も知らない地方に来てからずっと自分のことを気にかけてくれた相手が、急に遠い、別世界の見知らぬ誰かになってしまったかのように。
「ん゛ぅぉっ!……お゛お゛っ!……ぅきゅうう゛!」
 トクン、と尻の奥が鳴った。それを皮切りに突然、直腸の内側から尿意のようなむず痒さがジワジワと込み上げ、コライドンは思わずバチュルのようにカラダを震わせた。もう少し刺激を与えられたら、堰を切って何かが解き放たれそうな気がし、コライドンは雄としての本能的な危機を抱かざるを得なかった。まずい、不味い、マズい。しかしそう思っているうちに、もうその来たるべき感覚のことしか考えられなくなっている自分に唖然とする。それを解き放たないことには、全身の内側を燻すような火照りも、けたたましい勃起も、まるで収まりそうになかった。
(……イキたい)
 何よりもそんな言葉が脳味噌から搾り出るように出てきた。いま、この瞬間まで、コライドンはそんなことを思い、願うなんて思いも寄らなかった言葉だった。
「あ゛! い゛っ! いぎっ!……」
 尻奥から何かが激しく痙攣するかしないか、すんでのところでガブリアスのペニスは急に後ろへ引き下がった。不発に終わった尻は、欲望を発散しきれないまま虚しく揺れた。
「うお゛っ!……」
「まだイカせてやるワケねえだろ! せっかくなんだからもっと味わわせてくれよお?」
 寝かせた爪でガブリアスが尻を撫でながら、尖った口先を筋肉がみっちりと詰まったクッションのような肉の中に埋めると、ピチューの微弱なでんげきを浴びせられたかのように、コライドンは総毛立つ。
「はあ゛っ……はあ゛っ……!」
 体温を調節するグラエナのように、コライドンは口から舌を垂らし、舌先から汗と唾液の入り混じったトロミのある粘体が糸を引いて落ちるままにさせた。コライドンが突っ伏した草地は雨も降っていないのに、すっかり露に濡れていた。草の匂いに種々の雄の臭いが混入していた。ガブリアスは腰の振りを緩めていた。ぴちゃ、ぴちゃと尻の中で肉と肉が絡み合う音がくぐもる。凶悪な肉棒の硬さと大きさは相変わらずだったが、その先っぽはコライドンの疼くところを周到に避けている。
 ガブリアスはわざとそうやっていることがコライドンにはわかった。コライドンの雄のオーガスムが爆発する直前を見極めて手加減をし始めたのだ。
 そういえば、さっきオンバーンが、ガブリアスに掘られていた時のことを思い返す。彼もまた、全身を激しく震わせるほどに絶頂しかけたところで何度もガブリアスに寸止めされ、この苦しい宙吊りの状態で焦らしに焦らされていたのだった。ガッツリと尻穴を攻められるたびに、大っぴらに口を開き、両耳を大音量を撒き散らすスピーカーのように振動させながらオンバーンは狂ったように叫び散らしていたのは、まるで今にも残忍な手段で殺されようとしている奴隷の哀れな姿を思わせたが、その心情がどういうものだったのかコライドンは自分の尻で理解しつつあった。
 いま、俺もそれと同じことをされようとしている。とくん、心臓が気味悪いほどに収縮する音がしたが、それはこれから起こることへの戦慄なのか、それとも——期待? コライドンはもう考えたくなかった。
 ジャラランガは砕けそうなほどに拳を握りしめた。鱗を凛と鳴らしながら首を頻りに振り、気を確かにしようとした。力こぶに限界まで力を入れて、何とか麻痺からカラダが動きそうなタイミングを見計らって、ミライドンの拘束から逃れようとするもことごとく無駄であった。
「クソっ、離せ、離せよ!」
「まあまあ、そうオ怒りなさラズ、ジャララランガ……サン」
 ラが一つ多いことに突っ込む余裕はジャラランガにはなかった。
「怒るに決まってんだろ! こんなもん! こんなもんただの……!」
「さっきからジャラジャラジャラジャラうっせえんだよボァカ!」
 そう嘲って、ガブリアスはわざとらしく哄笑する。
「テメエは、俺がこんな風に腰振っただけで咽び泣いてたよなあ?(そう言って、ガブリアスがまたコライドンに手ひどく腰を打ち付ける。尻の奥がまたトクン、と鼓動した) お話にならねえクソまんこだったぜ! ちっとは、コイツを見習っとけ?」
「っせ……!」
「マアマア、ここは高みの見物と行きまショウ」
 ミライドンの常軌を逸した言葉はジャラランガを閉口させる。
「そもそもからシテ、コライドンサンはこうなることが本望なのデス。邪魔立てシテとか、そういうのはイケないと思イます」
「好き勝手なことほざきやがる! テメエらにとって都合がいいことばっかり抜かしやがって!……」
「シカシ事実といたしマシて、ガブリアスサンに着いて行っタのは、コライドンサンでした。第一、本望デなければ、雄と雄ドウシ交わることモないノです?」
「悪ぃ、何言ってんのかわかんねえ……ホント、全っ然わかんねえ!」
 全身の血管がはち切れそうだったが、この怒りをぶつけようにもミライドンに拘束された両腕はぴくりとも動かない。感情が肉体の内側に膨らんで耐え難かった。
「で、さっきから往生際が悪いんじゃねえの、コライドンの兄貴ぃ?」
 興奮と嗜虐心が高まるあまり、ガブリアスの口調は誰かを演じているように上ずっていた。爪をフックのようにして、コライドンの両脇を抱え上げると、上体が磔されたようになる。股ぐらで硬くなったままの肉棒は、今やジャラランガたちの前に晒されて、直立したまま、跳ねるようにピチピチとはためいた。首をもたげぷるぷると震えながら悶えるコライドンにガブリアスは顔を親密げに顔を寄せ、ふっと熱い息を吹きかけた。
「喜べよ、もっとキツいのくれてやっからな!」
 盛り上がった肩甲骨が作る谷間に、ガブリアスの胸の峻厳な稜線が密着していた。生温い肌膚の柔らかい感触が、何とも言えない気持ちをコライドンに催させる。
「ん゛うっ!……ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛! い゛っ!……あぎゃぎゃぎゃ……ぎゃ゛っ!……」
 されているのは一方的な陵辱なのにもかかわらず、ジャラランガが言う通り、これはガブリアスたちにとって都合の良いことばかりであるはずなのに、そんなやり切れない感情を飲み込んでしまうくらいに、獣欲が全身を駆け巡っていた。カラダの内側に溜まる欲望はペニスを出し入れされるごとに増えていく一方だ。押し寄せる快楽を堪えようとすれば、さらに強い快楽が襲ってくるだけだった。直腸だけでなく、思考までもガブリアスのチンポの形に変えさせられていくかのようだった。
「んぐぁぁぁぁあああああああぁっ!!……いぎっ……ぃいいいいぃ゛っ!……」
「おっと!」
 あと少しでこの化物じみた性欲から解き放たれようかとするところで、またしてもガブリアスはピストンを緩めた。コライドンの屈強な肉体は既に至るところがすっかり敏感になってしまった。ガブリアスの爪が、腕が、胸が、腰が、腿がほんの少しでもカラダに触れるたび、静電気がパチっと弾けるように、コライドンは打ち上がったみずポケモンのように全身を跳ね上げ、筋肉をことごとく緊張させた。
「ぐうっ!!……ぐは……あ゛っ!!……」
「おらっ! ありがとうございますって! 言って! みろよ! 変態!」
「お゛おっ!……お゛っお゛っお゛っお゛っ!……ぅお゛おおおん゛っ!!」
「ケツマン! ぶち犯して! くれてありがとう! 嬉しくて! ケツがあっ! 泣きそうですって! 言って!……みろよ!」
「お゛っお゛っ!……お゛っ……お゛お゛お゛お゛っ!」
「へへっ! さてはケツでイキてえんだな? だったらイキてえ、って俺に言ってみ?……」
「!」
 イク、という言葉を耳元で聞かされた途端に、自分がもう観念してしちまうだろう、とみらいよちするネイティオのように確信された。いずれにせよ、にっちもさっちもいかなかった。我慢し続けてもいずれ耐えられなくなるのは間違いなかった。それだったらいっそ、どんなにみっともなくったって、そう言うしかない。そんな合理的で不合理なことを思った。
「たっ゛……だの゛む゛ううううっ……!」
 これ以上ないほどに情けないことを言っていることはよくわかっていた。けれど、すぐそばでジャラランガに見られているということももう気にすることなんてできなかった。そんなことよりも頭の中はただ一つの切なる願いでいっぱいだった。もしこの場にジラーチが現れ、1000年に1回だけできるお願い事を訊ねられたとしても、コライドンは咄嗟にその願いを口走ってしまっただろう。
「もう゛、何でもいい゛……どうなっでもいいがら早ぐ……」
 イカせてくれえええええええええっ!——
 鏡池の一帯が一瞬静まり返った。腹の底から出た懇願は、ちょうど草むらで眠りに就こうとしていたサイホーンたちの目を開かせた。
「ええ、エエ、とてもいい心掛けです、コライドンサン」
 ミライドンは頻りに首を前へ後ろへ動かしながら言った。
「いい子だぜ!」
 ガブリアスは爪の腹でコライドンの首根っこを強く押さえ付けた。抱えられた体勢から地面に叩きつけられ、喉袋がパンクしたタイヤのように底が潰れ、顔はキツく地面に押し付けられる。尻だけを突き出す格好になったコライドンに向かってガブリアスは膝立ちになり、勝ち誇ったような表情をしながら、まるで蒸気機関のような速さで腰を動かし、トドメを指しにかかった。
「ほら、ケツマン締めやがれ! とびっきりの一発くれてやるからなあ!」
「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ぎゅっ!……う゛っ……あ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!……」
「イケ! ほらイケよ早く! くっ!……いいぜ……俺もイッチまうぜぇ……!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!!!……
 汚喘ぎするコライドンを前に、成す術ないジャラランガはただ弱々しく首を力なく横に振ることしかできなかった。鱗の音は儚げに鳴ったが、すぐ雄龍のけたたましい嬌声に掻き消されてしまった。

 

雑記240317

金曜に仕事帰りに東京ミッドタウン日比谷に立ち寄って、ミライドンを見物する。夜の7時過ぎくらいに行ったのだが、それでも撮影の待機列は長く、40分ほどは待たされる。自分は断然コライドン派ではあるのだが、実寸大のミライドンを間近にすると心を動かされるそうになる。大型のバイクくらいの大きさはあり、大人なら2人は余裕で乗せられそうだ。SV本編では4人乗りしていたが、子供であればギリギリ可能だろうと思う。ただ、これを乗りこなす主人公はやはりおかしい。

 

 

土曜、朝早く起きて日本橋に映画を観に行く。ジョゼッペ・トルナトーレの『海の上のピアニスト』、美しい映画と思う。大時化の船内で1900がピアノを演奏するシーンが良い。あの頃のアメリカへ希望をもって渡る群像が良い。時に寓話的で幻想的なイメージを繰り広げる映像が良い。「面白い物語があって、それを聞いてくれる誰かがいる限り、人生は悪くない」という冒頭から最後まで繰り返し語られるセリフも、個人的に励まされる言葉であった。良い映画を観た後はとても気分が良い。その勢いで三越を散策する。

 

14時に日本橋ポケセンでフォロワーのMさんと合流。秋葉原で飲むという約束であったのだが、プテラのフィギュアの発売日だったから、それを買いがてら先に日本橋で待ち合わせをしたんである。一生に一度出るかどうかという「推し」のフィギュアなのだから買わないわけにはいかなかったんである。

 

……でへへへー


それから秋葉原へ。シーシャを吸える店に行く。自分は以前某所で少しだけ嗜んだことはあるが、ほぼほぼ初体験と言っても良かった。店員の人がとても丁寧にフレーバーの選び方や吸い方を教えてくれたので、最初は咽せることが多かったが、1時間もすれば結構吸い方がサマになった。なお、セルフで酒を飲み放題だったので当然の如く3、4杯ほど飲んで行く。合間にMさんの小説を読ましてもらう。2時間と少しの滞在だったが、3〜4時間は余裕でいられそうであった。年季の入った雑居ビルだったから緊張したが、良い店である。リーズナブルなので、秋葉原で時間潰すのにも作業するにも良さげである。

 

2軒目は万世橋にある塩辛をアテに日本酒を飲める店へ行く。5時半過ぎに入った時点で既に品切れのものが多かったのと、日本酒が来るのに妙に時間のかかるのは気になったが、塩辛は旨かった。イカの塩辛しか知らなかったので、こんなに幅があるのは面白い。8時くらいに3軒目へ回る。3軒目にしてようやく生ビールを飲む、というのも新鮮である。こういう飲み方も悪くない。

 

終電近くまで粘って解散する考えだったが、10時になってシャックリが出始める。気分としては泥酔には程遠い——と思っている——のだが、こうなるとろくに酒が喉を通らなくなる。自分はすっとぼけていたが、Mさんのストップがかかりそこで店を出る。自分は往生際悪く、せめてコーヒーでも飲めるところがないかとウロウロしたが、昭和口周辺には手頃な店が見当たらなかったので大人しく帰ることにしたのであった。3時くらいから飲み始めて10時に解散、つまり7時間なのだから時間とすれば必要十分に過ぎる、とそう言い聞かせる。確かにこれが一番良い飲み方だと思う。

 

懲りずにコンビニで酒とつまみのポテトチップスを買っていくが、部屋に着くやすぐにベッドに入ってそのまま寝てしまう。案の定である。

 

日曜は完全にオフである。プテラとコライドンのフィギュアを並べてニヤニヤして終わる。以上。

 

でへへへー……(天丼)

 

なぜかガラル転生したコライドンだけど、イケメンなのですべて何とかなった 34話

 

余談。今日(昨日)、日比谷でミライドンを見物してきました。コライドン派の自分でもつい見入ってしまう再現度の高さに1時間くらい現地に釘付けになってました。それでミライドンを出したわけではないですが、描写の解像度なるものは確かに上がりますね……

 

 34

 

「もっと腹から声出したらどうなんだよ?」
 ガブリアスはみくびったように、ジャラランガに向かって言った。
「こそこそこそこそ一体何しに来たんだよ? 俺たちのセックス見てオナニーか? へっ、テメエらしいな!」
「ざけんな」
 風に揺れたジャラランガの黄金色の鱗が透き通った音を鳴らした。聞き慣れた音だ。そのはずなのに、いま、この状況で耳にするとまるで現実感を感じられなかった。肝が冷え、全身が萎縮したが、それで尻が引き締まると既に奥まで挿入されているガブリアスの立派な雄の威圧的な形を感じてしまう。痛みと気持ちのよさと、区別のできない感覚がたちまち尻の奥から込み上げてくる。
「うっ……」
 突飛な叫び声を挙げてしまったコライドンの逆三角形の背中を、ガブリアスの爪がねっとりと這う。口元は緩んで、薄笑いを浮かべていた。ジャラランガの存在など少しも気に留めず、むしろ堂々と見せつけるように、メリハリつけて引いた腰をコライドンへと打ちつけた。
「ああっ……! くっ、くうっ……!」
「で、要件あんなら簡潔にしてくんねえかな?(ガブリアスは小気味の良いテンポで腰を振り続ける。それに呼応するようにコライドンの悶絶がワイルドエリアに響く)。見ての通り俺たち忙しいんだよ!」
 ジャラランガは決然として拳を打ち鳴らす。鱗の擦れ合う澄み切った音が、冷水で顔を洗うかのように、辺りの空気を引き締めた。
「嫌がってんだろ、離せよ……」
「嫌がってるぅ?!」
 宝石の山を見つけたガバイトのように殊更に目を丸くしてジャラランガの言葉を復唱した。
「嫌がってるどころか、コイツは自分から俺にケツ差し出してきたんだけどな?」
「テメエが無理やりそうさせたんだろうが」
「心外だぜ。テメエはいつだって正義面ばっかするよなあ、頭空っぽのくせに?」
 ユキハミの這う速度で腰を引き、二匹の混ざり合った体液がくちゃくちゃと音を立てるのをウンザリするほど見せつけると、コライドンと繋がったペニスの先端が見えるか見えないかのところで動きを止め、接合部を自慢げに爪で差し示した。そこから既に漏れ出した粘体が糸を引いている。
「ほら、ここ、抜きどころだぜ? なあ!」
「黙れ」
「んだよ、つまんねえヤツ」
 蔑むように大袈裟に鼻から息を吹き出して、ガブリアスは釘を打つように勢いよく巨大な男根をコライドンの中に沈めた。ジャラランガが睨みつけるのも構わず、見せつけるようにコライドンを犯した。
「ああ゛っ!……いっ……!」
「おいコラ、テメエ!」
「なんだよ?」
「とにかく、今すぐこんな馬鹿げたことやめ」
「ああああああ゛っ!……」
 ジャラランガは意を決して叫びを挙げたが、同時に上がったコライドンの悶絶に気圧されてしまった。極悪な大きさと形をした肉棒をいきなり尻に挿れられるなど、拷問を受けるに等しい苦しみだった。もう少しで内臓が弾け、筋肉が千切れ、骨が砕け、それらがまとめて破れた鱗から漏れ出してしまう、と本気で感じる程だった。それなのに、雷光から少し遅れて轟音が鳴り響くように、苦悶は何とも言えない感覚に上書きされる。一体それがどういう感覚なのか、吟味する間もなくガブリアスの肉棒がまたぐりぐりと尻の最奥部にねじ込まれ、腹臓から再び苦悶が漏れ出る。それはとても耐え難い感覚である気がする。けれども、その一方で初めて食べる料理に対して美味いとも不味いとも言い難いまま、つい箸が進んでしまうのと同じで、端的に言ってコライドンはこの感覚に病み付きになってしまっていた。
 こんなことをされに来たわけじゃないんだ、という思いとは裏腹に、苦しいはずなのに股間の逸物はいっそう元気にそそり勃ってしまっていた。ガブリアスの下半身に弾かれて、コライドンのカラダが前後してしまうのに合わせて膨れ上がったペニスが揺らめくのは、まるで地震が起きて、不安定な家具が好き勝手のたうち回るのにも似ていた。この期に及んで、その野生的な外見に似合わず、まだ理性にしがみつこうとしているコライドンを揶揄うように、べち、べち、と喉袋を打つ。
「ぅおおっ……! く……くっそ……! んんんんんんんんん゛っ……!」
 牙を食いしばって堪えようとしても、荒くなる息は止めようがなく、幼児のように口から唾液が溢れかえってきた。ガタイの良い一端の雄が昂った情欲のままに乱れかかっている姿を、しかもよりにもよってジャラランガの目の前で晒してしまうとは。これまで決して彼には見せなかった、コライドン自身もついさっきまでこんなことになるとは思いがけなかった姿体を見せつけてしまっていることに対して、どう足掻いても適切な言葉は出てこなかった。
「どうだ? これ見てもそう思うか?」
 侮るように、肘から生えた鰭を仰ぐように動かしながら、コライドンの尻をリズムよく打った。軽い力の割に、その音はワイルドエリアの冴えた空気に一際澄んで響いた。
「ざけんな!……」
 とうとう耐えきれなくなったジャラランガが、拳を強く打ち鳴らした。コライドンのヤツを嬲るのに熱心でまるで無防備なガブリアスに、渾身のソウルビートをぶつけてやろうと、全身の鱗をしゃかりきに鳴らして、勢いのまま突撃しようとした。
「いけませんヨ」
 不意に、何かがジャラランガの背後から鷹揚に語りかけた。誰かを問う暇もなく、ジャラランガは何かに腕をキツく取り押さえられた。
「せっかくのお楽しみに水を差しテハ無粋だと思いませんカ」
 驚いて振り返ると、まるで見たことのないポケモンがそこにいた。ジャラランガの目に何よりも先に焼きついたのは、青々とした光を放つ瞳だった。しかし、それは瞳というよりは、いつかどこかで見たデジタルスクリーンに映し出された電光の集合体を彷彿とさせた。訝しむジャラランガを落ち着かせるように、そいつはジャラランガを見据える。
「ゴ心配なく。ワタシは決しテ怪しいモノではありませんカラ」
 いかにも怪しいことを言う。目付きも、表情も全く変わらなかったが、ジャラランガが見上げた角度からすれば、古い時代の肖像画に描かれた人のように微かに微笑みかけているように見えた。
「何なんだよ、テメエは……」
 渾身の力を込めてそいつから振り切ろうとしても、押さえつけられた腕はびくともしなかった。まるでグラードンに腕を握られてでもいるかのような圧倒的な力に、虚しくも抗うことしかできなかった。
「ソレを答えるのにヤブサカではありませんネ」
 およそ似ても似つかないはずなのに、メタリックな顔立ちはどことなくコライドンを思わせ、ゆったりとしたS字状を描く胴体と一体化した喉元の形も、コライドンの喉袋とよく似ていた。けど、だからどうしたってんだ? つうか、何が一体どうなってんだよ? ジャラランガはひどく混乱するばかりだった。
「えエと……強いて言えバ、コライドンサンの遠いハラカラとでも申しまショウか」
「ハラカラ?」
「時間も空間も遠ク隔たってハいまスガ、私とコライドンサンは繋がっているのですネ」
「何言ってんのか、さっぱりわかんねえ……」
「へっ、テメエみてえな馬鹿にはわかんねえだろうなあ……!」
 陰謀を信じる連中が信じない連中を無知だと決めつけるように、ガブリアスは嘲笑する。その間にも機敏に腰を振り、革張りのソファーのようにふっくらと割れた腹筋の陰影を浮かび上がらせながら、自分のチンポをコライドンに注射し続けている。俺が目の前にいながら、ガブリアスのヤツが身構えもせず余裕綽々と交尾に耽っていられるのは、そういうワケだったのか、とジャラランガは理解する。そうだとしても、相変わらず何もわからなかった。
「何なんだよ、コイツは?」
「テメエがコイツとつるんでるのと同じことだろ、なあ?」
「その通りかと思われマス。私、ミライドンと言います。今後ともよろしくお願い致しマスね、ジャラランガサン!……」
「うううううううううう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛ぐぅっ!……」
 ただ一匹、コライドンは、手厳しい雄根の攻めに音をあげそうになるのをギリギリのところで堪えていた。