エスィプス・コンプレックスについて

 唐突だが、字書きの永遠のテーマ、絵師コンプレックスについて考えてみたい。
 両者の微妙な関係というのは、twitterで活動していればすぐにわかる。見かけのフォロワー数からしてそうだが、たとえば「神絵師」という言葉に対して「神字書き」という単語は聞かない。ハッシュタグでも「#絵描きさんと繋がりたい」はあるが、「#字書きさんと繋がりたい」なんていうのはない。ないわけではないんだろうが、ハッシュタグは大勢に共有されなければ機能しないので、実質ない。
 ここですでに勝負あり、って感じなのだが。正直、字書きでフォロワー1000↑ってほとんど見たことない。pixivでブクマ3桁のSS書いてたり、分厚い同人小説出されてる方でさえ、3桁台がほとんどだから驚く。例外は、大手ジャンルのメジャーカプのBLとか、人気キャラの夢小説書きまくってる腐女子の字書きとかだろうか、知らんけど。
 そして冒頭のコンプレックスの話に至る。それを実感するのは、やはり絵師にフォローを申請するときである。ゲスいとは思うが、人は誰かをフォローする時、多かれ少なかれフォロバされることを期待してしまう。もちろん、その人の作品への興味関心もあるだろうが、同時に、絵師と絡みたい、あわよくばFFの関係になりたい、という欲が働く。
 しかし、「持たざるもの」が絵師にフォロバされることは稀である。フォロワー4〜5桁の絵師のフォロー数がせいぜい2〜3桁、極端な話0だったりすることからも、いかに絵師にフォロバされることが狭き門かが知れる。でも字書きは「持たざるもの」じゃないんだよなあ、ただのRTやら愚痴垂れ流すだけの垢じゃないし、ましてや荒らし目的の捨て垢なんかじゃ全然ないのになー、という邪な不公平感が湧く。これがコンプレックスの主な要因である。
 仮に運よくフォロバされたとしても、奇妙な関係は続く。つまり、相互になっただけで終わるというやつである。これまたゲスいことなのだが、相互フォロワーになると今度は、リプライはともかく、いいねやRTを送り合いたいと望むようになる。しかし、こっちがよくいいねをしてるのに、自分の書いたやつにはまったく反応する気配がない。ミュートされてるのでは、とすら思う。となると相互である意味ないな? とか考え出して、またしても不公平感を抱いてしまうのである。
 まあ、何が言いたいかって、「字書き」だって頑張ってるんだよぉって話である。一寸の虫にも五分の魂、さ!……と、無理矢理まとめてみる。共感できるかはともかく、SNSの世界は人間心理の複雑怪奇な綾が蠢くところだ、っつう一例にはなるのでは、と駄弁った次第です。
 でも、ツイートと違って、共感を求めなくてもいいのは私的なブログのいいとこだな。エッセイの本義は「試み」だしね。

「最初の記事を書いてみましょう」

 ほとんど思いつきから、ブログもやってみることにしたわけである。twitterとか、pixivとかで活動しているわけだが、非常に私的な関心事について、コソコソと書き連ねてみたいという欲が、この頃出てきた。
 twitterって、140字(アルファベットなら280文字だけど)の制限があるのはもちろん、そもそもあそこは何でも言っていい空間ではない。自分の何気ないツイートが、いつ、どこで、誰の地雷を踏み抜くかわからんのである。そんなこと気にしてたらtwitterできないだろと言われればそうだけれど、程度の差はあれどオタクで、同人っぽいことをしているわけだからね(字書きです、一応)、何よりも人と人との関係が大事なのです。活動範囲が大手ジャンルでないのが救いだけど。腐界隈が学級会やらお気持ち表明やら頻発してるのなんて、傍目から見りゃ地獄でしかない。
 pixivは言うもさらなり、ってやつである。幸い、毎回いいね押してくれたり、中には感想コメントをしてくれる方もいるから、それはすごく感謝! なのだけれど、全体的には、ファン同士が交流する場としては破綻してるよなあ、という印象である。絵師なんかはtwitterに投稿した絵をまとめる時くらいしかログインしないそうだ。そりゃ感想なんて読まないだろうな。その感想にしてが、テンプレスタンプとか、クソリプじみたものとか、反応に困る類のもので埋め尽くされてたら、なおさら。twitterと違って、読み専と絡む意味、皆無だしなあ。
 というわけで、その間隙を縫うものなのかどうかはわからないが、古風なブログに立ち返ってみたのでした。かく言う自分も10年以上ROMってばかりいたから、ブログすら初めてだからね、陳腐だけど何事も経験さ。誰にも読まれようともしていないことを、そのくせ誰かに読まれることを志向する「文字」で書くという矛盾に、身を曝してみよう。
 以上、決意表明である。ついでに言うと、記事自体の分量は1000字程度に収めたい。自分語りでしかも長々しいってのは、最悪だもんなあ。