PKMN×PKMN小説を求めて(2/?)

 PKMN小説に関する主だったコミュニティである「小説wiki」「小説スクエア」「PKMN同士総合スレ」について書いた。さらに数年遅れる形で「pixiv小説」のサービスが正式に開始されたのが2010年7月30日のことである。前の3つと比べると、コミュニティとしては緩いため、気軽に投稿できるのが利点。他サイトの盛況と合わせると、PKMN字書きとその読者の人口はこの時期、一気に増えた(だろう。個人的体験だが、「小説wiki」の作品を読み漁るようになったのもこの頃だった)。というわけで、念のため、pixiv界隈も言及しておくことにする。
 まず、作品規模。単純に「ポケモン」でタグ検索すると46314作品(2020年10月8日現在)であるが、この中には当然腐向けを中心に人×人、人×ポケモンが少なからず含まれているし、その時々で流行しているジャンルとのクロスオーバーものも相当数ある。ポケモン自体が巨大なジャンルであるため、書き手のポケモンへの知識関心はまちまちで、『赤・緑』程度のポケモンしか知らないという層も大勢いる。
 ついでに言うと、検索避けのためにあえて「ポケモン」タグを使用しない場合も多く見られる。代わりに「pkmn」といった所謂TDN式表記を用いたり、「ケモホモ」などの嗜好・フェチ系のタグで代用する、あるいはそもそもタグ自体をつけないというパターンも見られる。故に、pixiv内の「PKMN×PKMN小説」の総数は正確には調べ難いし、さしあたって自分の関心はそこにはないので細かいことは考えないようにする。
 ひとまず、「ポケモン」でタグ検索した場合において、pixiv上に残る最古の「PKMN×PKMN小説」は某氏(現役だし、twitter上で繋がっていただいてるので一応某としておきます)の『レントラー♂×ルカリオ♂』とみて大体間違いないと思われる。その後、念のため、ピカチュウやブイズといった人気ポケモンでも検索をかけてみたが、これよりも古い作品は見つけられなかった。またR18に関しても同じ某氏の『リザードン♂×ボーマンダ♂』が最古。いずれも、サービス正式開始直前の2010年7月29日深夜に投稿されている。
 今探っているのは現存する最古の「PKMN×PKMN」のSSであるから、pixiv小説は最初から探求の対象ではないのであるが、今のところ拠点にしている場所であるから、念のために調べさせてもらった。pixivというのは、住宅でいえばアパートみたいなところである。自治会みたいなものがなくて気楽な分、同じジャンルで活動してる相手がなかなか見えてこない。活動人数は国内最大規模なのだろうが、その中で個人的に交流のある字書きは片手で数えられる程度なのである。つくづく、SNSのくせにSNSとして機能していないよな、と愚痴る。