エタらないために、時間と戯れることについて

 先日twitterでこんなことを呟いた。元ツイ、ちょっと誤字っていたので改めて書き直す。

「小説って本来はスローなメディアだと思うのだが、二次小説の場合、ジャンル自体の旬もあるし、何よりかつてはほとんどがネット掲示板に投稿されていたから、とりわけ即時性が重視されていた、と思う。早く書いてまとめて上げないと、忘れられてしまうのである」

 ネット上の二次創作は、パッと書いてパッと投稿するのが第一であるっていう「即時性」が重視されるけど、小説ってまとまった文量を書くにも読むにも時間かかるから、そういうの不向きだよね、だけどそれやんなきゃいけないのが、字書きの辛いところだな、ってことをこの時は言いたかったのである。諸々の覚悟って、必要よね。
 ただ、「即時性」というのは、二次小説にとって悪いことばかりでもないのだ、ということに、さっき気づいた。
 自分は今年になってからまともな(といってもPKMN二次だしケモノだしエロだけど)創作を始めた。一応、創作自体はこれまでも試みてはいたはいたんだけれど、全然完成しなかったのだ。理由は単純明快、風呂敷の広げすぎ、である。
 これは個人サイトで小説を書いた人間の99%が体験したことじゃないか。冷静に考えてみれば、そういうのって書き始めた段階でしくじってる場合がほとんどで、自分の力量を遥かに超えた、少年漫画的な物語をつい書きがちなのである。
 残念ながら、誰もが尾田栄一郎というわけじゃない。いくら妄想を逞しくしようが、マンガ20ページを描くのが、小説100ページを書くのがいかに辛いことか。本気でやろうとするなら、その何十倍、下手したら何千倍もの紙数を費やさなきゃいけないってこったあ!
 で、そうした個人的な反省のもとに至ったのが、できるだけコンパクトに収めよう、ということなのだった。小説の場合だったらまあ、1〜2万字、長くても3万字くらいで終わるくらいの話にしよっか、ってことを意識して、ようやくまともに活動できるようになった。
 で、このことが最初に言った「即時性」の利点なんじゃないか、という気づきである。出来る限り早く書かなきゃいけないので、それに見合ったくらいのストーリーにしなきゃいけない。けど、二次創作としては、その方がいいんである。同人作家の中には当然、プロを意識してる方も多いわけだけど、下手に長くしたら10年かかっても終わらなかったりして、それ本末転倒じゃん、って思ったりするわけだ。
 別の記事で言及したピカチュウ♂×イーブイ♀小説『ピカチュウイーブイ』の字数を、確認してみたら約35000字だった。絶妙な文量だと思った。短すぎず、長すぎず、それでいてしっかりとPKMNへの「萌え」が詰め込まれてる。
 ネット掲示板での連載になると、「即時性」はより重要だからだろう。ぼけっとしてるうちにスレ落ちしたら大変だし。話を大きくしすぎず、ダイレクトに「愛」を伝える、そういうのも一種の技術なんだ。
 だからこれって、今twitterで毎晩やってるワンラに通じるものがあるんだろうなーと、また気づきである。うん、そうだ。ポケ字書きを志す人、ワンラ、やろう!

ポケモン版深夜の140字ワンライティング (@poke_1writing) | Twitter