2022年自創作振り返り② 『黒曜に触れて』編

バサギリくん本当かわいい好き愛してる

2022年は界隈にとって大きなトピックスが相次いだ年でした。その1発目になったのはもちろんポケモンLEGENDS アルセウス

完全なオープンワールドとまではいかずとも、格段に広く、自由度の高まったマップを駆け回りながら、人と共生する以前のポケモンたちと向き合っていくストーリーは何から何まで新鮮な体験でした。創作勢にとっても、これまでとは異なる殺伐とした世界観は非常にそそられるもので、当然僕もその一人だったわけです。

そして発売前からコレだ、と思い定めていたポケモンがいました。それが今作で書いたバサギリくんです。

 

とりあえず適当にバサギリくんの画像貼っておきますね


『猟奇譚』のカブトプスしかり僕はこういう“無骨”な体躯のデザインにはほとほと弱く、バサギリも完全一目ぼれでした。相当に刺さる子に出会った場合、僕はコイツで小説を書きたい、書かないといけない、という直感のようなものが働きますが、今回はバサギリがまさしくそれでした。“好き”の感情が募るだけで、いきおいストーリーやらイメージが浮かび出す。

 

これも、これもよ


全体としてどうしてこういう物語になったのかというと、自分でも説明のつかないところはあるのですが、1、2、パッと脳裏に浮かんだ鮮烈なイメージが先にあり、これだと言うような書き出しを思いついて、そこからようやく小説として走り出すといった感覚が僕の場合あります。『黒曜』についてはそれがすんなりと運んだように思います。

 

作品のイメージ膨らましてるときに撮ったスクショ。一番手前の小さいサイズのバサギリとオヤブンガブリアスの体格差を見て例のシーンを思いついた


手が使えぬ分、口で凌辱めいた奉仕をさせられるバサギリの姿があり、キングに焦がれつつも不意にそれと同じ姿になってしまい恥じらう小心なバサギリの姿があり、苦難の果てに啓示を見出して救済されるバサギリの姿があり——

この後登場する『哭壁に還る』も同様ですが、ヒスイ連作に通底するものとして、ふんわりとはしていますが、仏教説話にあるような成仏譚のイメージがあります。『LEGENDS アルセウス』の世界から『ダイヤモンド・パール』でお馴染みのシンオウ地方へと移り変わっていく過渡の時代だからこそ表現できる”滅びゆくものへの美“。

そういうものと絡めることで単なるエロ小説に留まらない“尊さ”のようなものを添えることができたんじゃないかと、そこは自賛していたりします。「いいもちもちキノコだったぞ」とか、「有難さに射精した」とか若干シリアスな笑いもなくはないですが、それも含めて気分良く書けましたね!

あと文体について。現在と過去を行ったり来たりする書き方は性癖です。

次の『哭壁』ではもっと過激になり、文章上での時間の継ぎ目が判然としなくなってしまうほどなのですが、これについてはまた後で……

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