なぜかガラル転生したコライドンだけど、イケメンなのですべて何とかなった 33話

 

 ちょっと遅ればせながら33話更新。次回分をあげたらwikiもまとめて更新予定。

 一晩のホモ描写だけで字数嵩んでんよー

 

 33

 

 喉袋の上には触手のようなガブリアスの大きな雄がしなだれかかっていた。ついさっき別の雄の体内に発散したばかりであるはずのそいつは、すっとぼけたように限界まで漲っている。
 狂うように胸に吸い付き、鎖骨と首筋が生々しく浮き上がっている辺りにもキツく鼻を押し付けてひとしきり堪能してしまえば、次はそうなることなど考えるまでもなかった。促されるがままに、コライドンはごく自然に、丸太の上に大股開けて座っているガブリアスの真正面に陣取って、荘厳ささえ感じさせるほどゆったりとした動作で跪いたのだった。そして、眩しいほどに黄色に染まった腹のすぐ下にうっすらと走る縦線から、中に押し込められていたそいつが舌を出すように露出し、コライドンの胸袋の上を、カビゴンの腹上ではしゃぐ子供たちのように跳ね回ったのだ。
「いいぜ……そろそろコイツも」
 草いきれのように湧き立つ雄のいかにもな雄臭さが嗅覚を支配する。花々やきのみの香りなどとは断じて形容できないキツい香りであるはずなのに、何度も鼻腔をひくつかせてその臭いを確かめたくなってしまうのは何故なのかわからなかった。血色の良い肉棒が誘うように先端をくいともたげた。肉体の内側でたっぷりとまとった粘膜が目の前で銀色に妖しく輝いた。
「しゃぶれよ」
 ガブリアスがその熱く硬いペニスを戯れに爪で掬い上げては、ペチンと、コライドンの喉袋に叩きつける。コライドンは不意に唾をゴクリと飲み込んだ。股間にぐっと力を込めると、オージャの湖にうじゃうじゃといたあのシャリタツのようにそれが勢いよく上方へ反り返る。
「へっ、ヨダレ垂らしてんじゃねえよ、『エロ』イドン?」
 コライドンは黙っていた。断ろうとしたって無駄だろうし、そんなことをしようとしてもコライドン自身でさえ説得力をもってコイツに具合の良い反駁ができるなどとは思いも寄らなかった。生え際の切れ込みのところに鼻腔を押し当て、体液が煮詰まってツンと饐えた臭いを一気に肺へ取り込んだ。額の羽根を虫ポケモンたちの触角のように敏感に動かしながら、ガブリアスの内側から込み上げるひねくれた臭いを繰り返し吸って、吐いて、吸って、吐いてした。
 ご満悦そうにガブリアスの爪がコライドンの冠羽に触れ、掻き撫でるというよりは、掻きむしらんばかりの勢いでくしゃりと羽根を押し潰しながら、コライドンの頭蓋に擦り付けてくる。コライドンは息継ぎをするように顔を上半身ごと横に傾かせ、聳り立つガブリアスのそれを側面から食むように咥えた。それは全く大したサイズで、コライドンの口にも余る太さをしていた。おまけに、これでもまだ完全に興奮しきっていないのか、その大きさと太さが増していく気がし、不意にそこに強く力が入れられると、油断しては顎を持っていかれそうだった。
 目を細めつつ、しっかりと口で挟み込んだまま絞り上げるように慎重にペニスの根本から先端までを舐め上げてやる。抵抗感のある硬さを感じながら、やっと先っぽまで啜ると、息を継ぐ間もなく、今度はそれをすっかり口に含もうと真上から覆い被さるようにしゃぶり出す。
「へっ、スゲエ喰いつき……!」
 口の中で、改めてガブリアスの肉棒の巨大さが感じられた。こじ開けられるように口を上下に開いてやっと先っぽが口腔に入るという感触である。えづきそうになるのを堪えながら、ゆっくりと慎重に、相手の腹に顔を埋めるように根本まで目指して咥え込んでいこうと頑張る。まだ半分ほども達していないのに、先端が喉仏に届きそうだった。もし、うっかり喉元をきゅっと閉じてしまいなどしたら、そのままガブリアスのペニスで栓をされ、窒息しかねなかった。
「……ぅぐっ」
 何とか根本まで咥え切り、ちょうどガブリアスの股に口先を押し付ける体勢になった。しばらくそのままにして、胸を伸縮させて息を整えてから、ゆっくりと頭を前後させ始めた。
 ガブリアスは鼻を鳴らしながら、自分の雄がコライドンに水音立てて口淫されるのを、余裕そうに眺めていた。
「テメエみてえな雄が、らしくねえ慎ましいフェラなんかしやがって……あー、マジエロっ」
 ペニスの圧迫感は強く、自分からしゃぶりにいったつもりが、向こうから一方的にペニスを突っ込まされているような陵辱感を覚えながら、フェラを続ける。元より強烈だった雄臭はフェラするごとにますます強まっていくようだった。舐めれば舐めるほど、この臭いが他の何にも増して芳しいのだと思わされた。ガブリアスの先端から絶え間なく溢れ出る我慢汁の塩辛い味がほんのりと舌に染み渡る。
——こんなに熱心に雄のチンポしゃぶりやがって、恥ずかしくねえのかよ?
 そんなことを言われた気がして、コライドンは上目遣いにガブリアスをチラリと覗いたが、満足げに舌舐めずりをしているだけである。考えてみれば、今聞いた声はガブリアスの戯けたところのある口ぶりとはまるで違っていた。
 爪の平たいところを器用に使いながら、コライドンの顔を挟み込んで持ち上げ、自分のペニスから引き離した。二匹は顔を見合わせた。こちらを見下ろす形のガブリアスは、もう、何も言わなくたってわかるよな? そう言いたげであることをコライドンは察していた。
 躊躇い気味に膝立ちのままその場でガブリアスに背を向けると、両腕を地べたについて、それからもぞもぞと不器用げに腰を揺らしながら、さっきプテラオンバーンがしていたのと同じ姿勢で「おねだり」をした。
「へえっ!……エッチじゃねえかよぅ」
 ガブリアスは引きつった笑みを浮かべた。想像以上のものを見ることができて、思わず平静を失いかけたかのような笑い方だった。コライドンは自らの振る舞いを突飛で滑稽とすら思う一方で、すっかりその仕草が堂に入っていることも認めないわけにはいかなかった。思い出せそうで思い出せない、もう少しで見えそうで、聞こえそうな、あったかもしれない経験か体験の記憶がコライドンにそう思わせていた。けれどもそんなことはさておいて、コライドンの肉体が、ヤドキングの脳髄を支配するシェルダーのように、手遅れながらもまだ躊躇っている理性を押し除け「気持ちのいいこと」を欲望している。
 自分の奥底にこんなものが眠っていたことに、コライドンは驚きと、それと矛盾しているある種の喜びも感じていた。しっかりとした骨格に隆々とした筋肉を乗せた二対の膨らみに埋もれた出口であり入口であるところの奥の奥が激しく疼いているのを、もうどうしようもすることができなかった。コライドンは四つん這いのまま首を横に振った。
 嬉々としたガブリアスの腰がぐいぐいと突き出されて、黒い鱗に覆われたコライドンの尻尾を捲り上げた。熱望しきったペニスをコライドンの臀部にぺっとりと寄り添わせると、その思いもがけない熱さに腰が引けそうになる。循環する血液が煮立っているみたいだった。ペニスから逃れようとしたコライドンの腰を、手慣れた動作で引き戻すと、臆病なのか大胆なのかわからない均整整った尻を手首についた鰭で容赦なく引っ叩いた。自分でもこんな声が出るのかと思うほど甘ったるい声でぐぉぉおんっ!……コライドンは叫んでしまう。
「けっ……想像以上のド変態が」
 戯れにビンタを張られた尻たぶが、冷えてきた宵の空気に当てられてほんのりとヒリヒリして、物陰ではあれど野外でそんなことをしようとしていることを意識し、自覚し、恥ずかしくなってきて、にっちもさっちもいかない気持ちだった。トロピウスの房のように実った股ぐらのペニスがいきなりキュンと力強く持ち上がった。
「っしゃ、じゃあとっとと俺のとっておきぶちこんでやろうなあっ……!」
 間髪入れず、ガブリアスのものがコライドンの——あるかどうかもわからないし、元々そんなものはなかったのかもしれないが——雄の矜持に侵食し始めた。ゆっくりと熱く滾ったものが排泄する穴から内側に挿入ってくる。周囲の凝った肉を無理やりこじ開けられる痛みに、始めはつい拳を握りしめてしまうが、そこを乗り越えると、後はレトルトめんを一息に啜るように、直腸へど太い棒が滑り込んだ。
「ぐぉっ……」
「っしゃ、いくぜっ……!」
 間髪入れずに腰を振り、尻に向かって腹を打ち付け始める。終始大きなものを出し挿れされる強烈な異物感を顔を歪めながらなんとか堪える。けれども、コライドン自身、異物を押し込まれて反射的に直腸ごとお尻をキュッと窄める感覚そのものに、何かむず痒い記憶が込められている気がした。手を伸ばし、神経質になった淫らな性器を軽く扱くと、犯されている尻の熱さに呼応して、威嚇するガオガエンのように自然と腰が突き立ってしまう。
 丹田の裏側で、猛烈に欲求が疼いていた。ガブリアスが腰を強く押し付けた時に、その強靭なペニスが微かにその辺りを微かに擦り付けては、また遠ざかっていく。もっと強く、ゴリゴリと押し付けるように擦ってくれれば、と想像すると、かえってカラダが欲望から熱くなるのだった。違う、そういうコトじゃ——と否定しようとしても、逆効果だった。ガブリアスに攻められるがまま、何度も押し寄せてくる圧迫感と、その裏返しにジワジワとくる心地の良さの繰り返しに、思考はほとんど奪われつつあった。
「あー……テメエの……すげっ……イイっ」
「ぅぐぅ……!」
「弄ってもねえのにあっさり挿入りやがって、ったく、油断も隙もねえな?」
「ああっ……」
「おい、ケツ気持ちいいかよ?」
「……」
「ケツ気持ちいいかって聞いてんだろうが……よっ」
「ぐっ!」
「へっ、いい音!」
「おい」
「お利口ぶったってもう無駄だってわかってんだろ? 素直にケツ気持ちいいって言ってみろよ……気ぃ、楽になるぜ」
「んぐぅ……! はあぁっ……」
「素直じゃねえな。だったら、俺のチンポでもっと気持ちよくさせてやんねえとなあ?……」
「はあっ……ああっ……!」
「エッチにケツブルブルさせやがって、このガバドラゴンがよう……」
「おい」
「にしても、このケツは処女じゃねえみてえだな。黙ってるくせ、陰ではしっかりヤッてきたんだな……ま、俺のチンポが一番イイってわからせてやるから、覚悟してろよ
「……ぐぅぅぅっ!」
「おい!」
 脳裏に聞こえる声でも、ガブリアスのものでもない、けれども聞き馴染んだ声がした。ガブリアスに繋がれたまま、ハッとして声がした方へ首を向けた。いま、こんなことをしている姿を一番見られたくないと思う相手が、まさしくそこに立っているのだった。コライドンの胸元の喉袋が一息に萎んでいくように感じられた。